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入院に必要な持ち物と、その選び方

『慣れない入院で何を持っていけば良いのか分からない。』

『持ち物はパンフレットに記載あるけど、どんな基準で選んだらいいか分からない』

『病院まで遠くて何度も持って行けないから、あらかじめ知っておきたい。』

『レンタルの入院セットは結局高いから、使いたくない。』

『ネットで調べてからスリッパ持参したのに、病院でダメと言われた。なんで?』

日々の病院の仕事の中で実際の患者さん、ご家族さんから様々な声をいただきます。

ここでは、実際に持参していただく身の回りの物品について、またその選ぶポイントについて、持参する量について説明します。

入院に必要なもの

入院時には
・財布(盗難も考慮し、高額不要です)
・入院する病院の診察券
・保険証
・身体障害者手帳やペースメーカー手帳
などの他に、入院生活で自身が使用する身の回りのものの持参が必要です。

パジャマ・・・2~4セット

・通気性がよく、伸縮性のある素材
・レントゲンの撮影も考慮に入れると、前開き
(寝たきりの方は、極力前開きでお願いします。できれば1サイズ大きいもので)
・点滴をする場合が多いので、袖にゴムが入っていないものを。
・胸、または腰にポケットがあるもの…小さな電子機器(心電図モニターなど)を持ち歩く場合があります。
・高齢や抗がん剤の副作用などで指先にしびれがある方の場合、甚平のような紐を結ぶのは難しいので注意です。
・ボタンの開け閉めが難しい場合は、ボタンの大きいタイプか、マジックテープになっているものを選びましょう。
・放射性治療をされている方は、特に綿100%がおススメ

バスタオル・・・2~3枚

・フェイスタオルの大判ぐらいの大きさを持参される方もいますが、できればしっかり体を拭ききれる大きさにしましょう。
・新品よりも一度洗濯した後のものの方が、水気を吸います。あらかじめ準備する余裕がある場合は、洗濯済のものを選んでください。

フェイスタオル・・・3~5枚

・シャワーや洗面時だけでなく、アイスノンを巻いたり、食事時のエプロンになったりと重宝します。
・バスタオルよりも少し多めに持参してください。
・バスタオル同様、一度洗濯済のものの方がよいでしょう。

シャンプー/コンディショナー/ボディーソープ

入院に必要なもの

・毎日シャワーに入れる病院は少ないので、2週間程度までの入院ならトラベルセットがおススメです。トラベルセットなら重たくなりにくく、かさ張らないので便利です。
・長期の入院ならボトルをそのまま持っていくと買い足す必要はありません。
・固形石鹸でもいいですが、しっかり泡立てるのに時間がかかりますし、保管もしずらいので、できればボディソープを。
・特に陰部洗浄を必要とするような、寝たきりの方や膀胱留置カテーテル(おしっこの管)を挿入されている方は、泡で出てくるポンプタイプが便利です。固形石鹸を持参していても、泡タイプを持参するよう言われる場合があるので、2度手間にならない様、あらかじめ持参する方がいいでしょう。

ティッシュ

・鼻かみとしてはもちろん、陰部洗浄時にも使用し、洗った後のカトラリー(スプーンなど)を拭いたりと良く使います。
・ボックスティッシュを1箱/週ぐらいの目安で用意しましょう。

歯ブラシ、歯磨き粉

・歯ブラシトラベルセットを1セット/2~3週ぐらいで用意してください。
・歯ブラシも消耗品です。衛生面を考慮し、トラベルセットの歯磨き粉がなくなった際には、歯磨き粉だけを買い替えるのではなく、トラベルセットごと買い替える方をおススメします。

◆歯ブラシは使用後、十分に乾燥させましょう。
⇒すぐにケースに戻してしまう方が多いですが、細菌の温床となります。
歯ブラシを立てかける用のコップ(うがい用)を持参すると良いです。

・入れ歯を使用されている方は、入れ歯ケースと洗浄剤、入れ歯用のブラシを持参しましょう。

コップ/タンブラー

入院に必要なもの

お茶を飲む際に使用します。
入院パンフレットによっては湯飲みと記載されている病院ありますが、基本的に割れる素材は禁止です。
『そんなに高くないから割れてもいいよ』『わたしは割らないから』という方もいますが、急変時や転室時など、床頭台を動かす際に落としてしまう可能性もあります。
また割ってしまった場合、本人さんがケガをしてしまうだけでなく、隣の患者さんやスタッフがケガをする可能性があります。
紛失のことも考慮し、安価なプラスチック製がおススメです。
また、病室はベッド周囲環境のため埃がたちやすいです。新規でコップを購入される場合は蓋つきのものを、家にあるコップを持参される場合は被せるタイプのもので良いので蓋を用意することをおススメします。

水筒

病院では2~3回/日で配茶をおこなっていたり、ティーサーバーが置かれています。
コップ1つでは足りないので、水筒やポットが必要です。
水筒の容量が300㏄程度ではすぐに足りなくなります。逆に水筒が大きすぎると重たくて持ち上げられなかったり、サーバーに入らなかったりします。400~500㏄程度がおススメです。
他に持参するコップを飲茶用とする場合、うがい用のコップとして使えるよう、蓋がコップとなっている水筒の方が重宝します。

マスク

・対診や検査の際にはマスク着用してください。寝たきりの方でも、ベッドのまま検査(レントゲンやCT)に行くことがありますので必要です。
※布性や不織布などの素材はほとんど問われません。
・病院に設置されているマスクはスタッフ専用となっていますので、使用できません。

時計

携帯電話でも時間を確認できますが、高齢の方の場合は携帯電話とは別に置時計をお勧めします。
抗がん剤や手術の前の夜は神経質になりやすいので、他患者さんのことも考え、時計のアラームは切り、特に大部屋では秒針の音が小さいものしてください。
(病院によっては秒針の音が出ないものを指定するところもあります)

イヤホン

テレビ用のイヤホンです。
病院に売店があれば売っていると思いますが、1mしかない場合もあります。
ベッド上からテレビをみるには2~3mは必要になりますので注意です。
また、分解してしまいやすいタイプ(丸くて周りをゴムで固定してあるタイプ)は、よくバラバラになりベッドの下に落ちていますので避けましょう。

病院のテレビをみるためにはテレビカードが必要な場合があります。
1枚1000円しますが、使用しなかった分は精算機で返金されますので、1枚は買っておく方がよいでしょう(高齢者の場合、テレビが刺激になってくれます)

個室では必要ありません。しかし、先約や病状の悪い患者さん、感染症の患者さんが優先され、個室を希望していても、入れない場合もあります。
個室予定の方も、念のための大部屋対策も必要です。

病院用のくつ

必ずしも、入院時に履いていく靴と別に用意する必要はありません。
ただ、トイレの度に履きますので、革靴やスニーカーなど脱ぎ履ぎのしにくい靴の場合は別に用意をしましょう。
また、もちろんですがヒールのような、音がするもの、転倒する可能性の高いものも禁止です。
そして、スリッパなどの踵を覆えないような履き物も転倒リスクが高いため、ほとんどの病院で禁止されています。
(実際、スリッパを持参される患者様は非常に多いです。しかし再度、履き物を持参するよう依頼されますので二度手間になります。やめましょう。)

いつも使用している物

『内服薬・サプリメント』や『入れ歯』、『補聴器』、『眼鏡』、『コンタクト』などいつも使用しているものがある人は持参しましょう。
特に最近でのマストアイテムは『携帯電話』と『充電器』です。
大部屋での会話は極力控えなければいけませんが、ホールでは許可されていたり、病室でもメール等は可能です。また時間を知るためにも活用できますので、携帯電話を持っている方は持参しましょう。(もちろんマナーモードで)

ただ、これらのアイテムは替えがきかないものが多いので、あらかじめ用意しておくことは難しいです。
家を出る直前に忘れない様にすることが肝心です。

洗濯頻度で持っていく量を決める

洗濯頻度で持っていく量を決める

病院によりますが、2~3回/週でシャワー、もしくは清拭の機会があります。
・洗濯ペースは1~2回/週の方が多いので、衣類やタオル類は約1週間分を用意しましょう。
症状(嘔吐や下痢など)や治療(点滴漏れなど)により汚染する可能性がありますので、さらに1セットの余裕を持っていくと便利です。
多めに持参しすぎても、療養環境が狭くなってしまうので注意しましょう

・家族が洗濯をする場合は、1~2回/週は交換しに行ってください。
⇒2~3週間に一度だけだと、持参に必要な衣類が多くなりますし、シャワー後で湿気た衣類が臭くなります。
特に尿汚染した場合、キツイ匂いになりますので、最低でも1週間に1回は洗濯物を取りに行ってください。
⇒難しい場合は、衣類のレンタルサービスや私服を洗濯してくれるサービスがあります。もっとも安価に済ますには、病棟のコインランドリーで患者さん自身が洗濯することです。

・自身で洗濯をする場合、院内のコインランドリーでは洗剤が入っていないことがあります。
トラベル用の洗剤か、小さめの洗剤がおススメです。
また小銭しか入らないので、お札だけでなく小銭も持っていきましょう。
・シャワー1回毎に、洗濯できる場合は最低2セット分の持参でも過ごせます。

・洗濯サービスを利用される場合は、1回/週程度の回収になるので、2週間分以上の衣類の準備が必要です。

必要なものが一つのバックになった入院セット

必要なものが一つのバックになった入院セット

c&nでは患者さんやご家族さんの様々な思いからできた『おてまいりセット(入院セット)』を販売しております。
緊急入院になった際に病院と自宅を往復する手間や、いろいろ探しまわる手間などを減らしてくれます。

入院セットのレンタルを行っている病院もありますが、レンタルのセットだけでは補えないものがたくさんあります。
その際には、再度病院に出向かなくてはいけませんので、レンタルを活用する予定の方も準備は必要です。

特に75歳以上の家族を持つ方は、最低1つは入院に備えておくことをオススメします。
(75歳あたりから、同じ病状でもその後の悪化リスクが高くなります。入院頻度、入院期間がグンと高く、長くなります。)